
序
財団法人聴覚障害者教育福祉協会では、特殊教育百年記念事業の一つとして、昭和五十三年以来、毎年秋には、聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会を催し、お母さん方の長い間のご苦労をねぎらって来ました。そしてこの集まりでは、お母さん方の体験発表も行い、その記録と全国のお母さんから集まった子育ての手記をまとめ、「ハマナスのうた」として出版しました。この書は大きな反響を呼び、その後は続刊の声に応えて回を重ね、このたび第5集を刊行するに至りました。この手記には、多くのお母さん方が真剣に、そして赤裸々にご自身の体験を語っておられます。この書を読まれた方々には、きっと強い感銘を与えることとなり、お母さん方も新たな希望と勇気をもたれることでしよう。さらに、ご自身障害をもたれるお子さん方は、母の労苦の一端を知り、母の愛情の大きさに胸を打たれることでしょう。
どんなに教育が進もうと福祉がいかに充実しようと、聴覚障害児にとって母親の存在は偉大で、このことは今も昔も変りません。ぜひ多くの方々にご一読をおすすめいたします。
手記をお寄せいただいた方々をはじめ、この書の出版に当りご協力いただいた方々には改めて厚くお礼申し上げます。
財団法人聴覚障害者教育福祉協会 会長 今西孝雄
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